座談会「Vのキセキ【第1回演奏会篇】」その4
- 5人からのスタート
- 東日本大震災直後の演奏会
- 貴重な共演の場
- これまでのVV、これからのVV
これまでのVV、これからのVV
- さて、4回にわたってお送りした「Vのキセキ」も、いよいよ最後のテーマとなりました。最後はVVのお年寄りのみなさんに、VVについてアツく語っていただきたいと思います。
- おじいちゃんだから話長くなるよ。
- 平均年齢24歳!
- まず、VVの創設から5年間活動してきて、得られたものはなんでしょうか?
- イベント的に集まった集団が、合唱団になる過程を見ることができたのは大きいね。
- そうね。
- 特に俺はずっと幹部にならかったから、合唱団が固まって行く過程が外から見えて面白かったよ。
- 宮城の場合、役職ついたのは今年のコンサートマスターだけか。
- コンマスより代表の方がポジションとしては上だから、今年も変な責任がなく一番いいポジションで合唱団を見れたな。
- 最初は代表も手探り感が強かったけどね。来たもの来たものを一生懸命捌いてくので手一杯みたいな。
- スタッフじゃない団員からも意見が出て来るようになったよね。言われたからやる、みたいな受動的な感じから少しずつ変わってきた。
- 組織としてやっと回ってきたね。
- 5年間で変わったこと、逆に変わらないことはあるのでしょうか。
- 新入団員獲得の方法は変わらないんじゃないかな。既存の団員が勧誘して練習に来てもらって、実際に入団するかどうかは個人の裁量による。それは最初からそう。
- 辞めようとする人を極端に引きとめたりたりはしないよね。
- 毎年やってることだしね。結局呼ばないと来ない。
- 当時と今で違いがあるとすれば兼団者の比率かな。昔よりは少なくなった。
- 大学の合唱団を卒団して、VV一本になる人も増えたね。
- だから年寄りが多い合唱団なワケだけど。
- あと、所属大学の種類が増えた。
- 最初は東京大学と明治大学がほとんどだったからね。最近はいろんな大学から集まってる。
- これからVVはどうなると思いますか?
- 今年は主に俺がやりたいことやらせてもらっててさ。王孫とか委嘱とかガンガンやってるけど、来年になったら来年のVVを創っていくことになると思う。というかそうなって欲しい。
- 学生合唱団だから、年によってレベルが違うのは本当は当たり前なんだよね。でも、VVは第1回にオンステした団員がまだ結構残ってるから、毎年上手くなってる様な認識がある。
- 普通は卒団生が出ていったら下手になるものなのね。そういう意味では、学生合唱団なんだから開き直って良いんじゃないかな。
- 毎年卒団生がいるという、いたって普通の学生合唱団の前提を思い出していただければ(笑)。
- 今までチートを使ってたようなもんだからな。
- 5年間ずっと残ってる人達がいるのは勿論良い面もあったし、面白い事だったんだけどね。
- 第5回演奏会で、5年間いた人達もほとんど卒団だしね。
- 本来としては経験を積んだものから抜けていくのが学生合唱団だから、それを忘れなければ良い活動は出来ると思うよ。
- 仮に去年の方が上手かった、とか言われてもそれは当然だし、それを理由にへこむことは全くないからな。
- むしろ「去年よりうまくなった」ってなる可能性も十分あるわけだし。
- 去年は王孫やったから今年はもっとやばいのやらなきゃ、みたいな使命感も当然必要ない。
- 身の丈に合った活動、みたいな。
- もっと大学生の合唱団っぽくなると思うよ。
- 来年以降は、より学生合唱団のあるべき姿になっていくだろう、ということですね。では、逆にVVにはどうあって欲しいですか?
- 楽しく歌えるのが一番。
- 4年間いて楽しい合唱団であって欲しいかな。結構VVって刹那的じゃん。今がよければいい!みたいなとこちょっとある。
- 駆け抜ける感じね(笑)。
- それはそれで面白いんだけど、やっぱり学生生活の一部なんだし、長く楽しめるのが良いじゃん。
- 義務感じゃなく、楽しいから残っている人がいないと健全じゃないからね。
- まあ、やりたい事が出来る合唱団であってくれればそれで良いと思うよ。
- 今年はコンマスがやりたいことやってるけど(笑)。
- 技術系も学年固定しないで、あくまで各パートで一番適してると判断した人にやらせてるからな。大学2年生から修士の2年生にまでやってもらってる。
- そこまで尖ったやり方じゃなくて良いけど、来年以降もコンマスやら団員がやりたい事が出来たり、アイデアを出し合ってなにが面白いのかを追求できるような団体であって欲しい。
- 特に合唱団の活動って、どの本番に乗るか、ということを除くと「何を歌うか」が活動の基本になってくると思うんだよ。必ずしも自分の歌いたい曲が歌えるわけではないけど、団員で意見出し合って決めていけば、結局自分がやりたいことよりももっと面白い企画に辿り着くはず。
- それに、最後には「松下耕」っていう存在がいるから。
- ラスボスな。
- 最後にはいい形でバランスとってくれるから、そこを信頼して自分達からはやりたいことを発信していけばいい。
- ボスから言われることをやるだけの合唱団にはなって欲しくないね。
終わりに…
- さて、4回にわたってお送りした座談会企画「Vのススメ」。第1回演奏会まで辿り着いたため、今回でお開きとなります。
- 最後に、第5回演奏会への意気込みをお聞かせ下さい。
- まずは現コンマスからじゃない。
- そう?じゃあ一応団員向けにだけど、とりあえず限界まで走るんで。
- おお。
- 止まったら死ぬ集団だからね。
- 回遊魚10系合唱団だから。
- 「Vのススメ」を読んで下さっている方向けの話をすると、この演奏会はあくまで発表会ではないです、ということですかね。
- 「僕たち頑張ってるから聴いてください!」とは言わないよね。
- そうそう。聞き手にとっても、聴いてただ楽しいプログラムって訳じゃないからね。
- だからお客さんに満足して頂くためにも、出来たらちょっとでも「Vのススメ」に目を通してもらえるといいと思う。そのために作った特設サイトだからね。
- そうじゃなくても、最低限聴く気になって聴いてもらえれば拾えるものがある演奏はしたいので。よろしくお願いします。
- 合唱団が様変わりするわけでもないから、去年のライブ配信見てもらうだけでも違うかもね。
- VVの演奏会ってこんな感じ!というのは確かに掴んでもらえると思う。ぜひご視聴ください!
- voces-veritas.com/v/article/112n…
- 気軽に演奏会行こうかなっていう気持ちで来ていただけるだけでありがたいんだけどね。プログラムが重いし、王孫とかは複雑な曲だからそれだけだとちょっと満足できないと思う。
- やっぱり、楽しもうと思って会場に足を運んでいただけると嬉しいね。
- テーマは若干難しいけど、お客さんは聴くだけだしね!
- お客さんそれぞれの感性で聴いていただいて、なにかしら持ち帰っていただければな、と思います。
- VVずっと聴いてくださってる方にとっては、集大成じゃないけど、過去5年間一番規模がでかい演奏会になるわけだね。
- 会場も今までで一番大きいし、5ステージだし、委嘱やるし、王孫もやるし。
- 今世紀最大の演奏会だから。
- それ第4回の時から言ってるんだよなあ(笑)。
- 今年で記録更新したってことで。
- 1年振り2回目の、今世紀最大の演奏会になります!乞うご期待!
(午前6時座談会終了)
- ^ 成長段階や季節の変化などに応じて生息場所を移動する魚のこと。一部の回遊魚は泳ぎをやめると死んでしまうため、絶えず泳ぎ続けなければならないとされる。
これまでの「Vのキセキ」
文責:小川俊