座談会「Vのキセキ【第3回演奏会篇】」その2
演奏会のネット配信とは?
- VVの演奏会は、第1回から第4回までネット配信を実施しています。この第3回も配信を行いました。
- 合唱団の演奏会をネット配信するという試みは、当時では今までに見られない新しい試みだったと思うのですが、ネット配信を始めた理由とは?
- まず言っておくけど、別にVVが始めた試みとかではない(笑)。
- なんとなくですけど、時期的にそういう試みが始まった時期ではありましたよね。
- VVもその流れに乗った、っていうところはあるんじゃない?
- VVが配信を始めたきっかけとしては、いつも配信を担当している宮城が沖縄出身で、「東京の演奏会をライブで鑑賞出来たら良いな」って思ってたってことじゃないかな。
- テレビでやってるライブ配信みたいなのとかね。
- あと、技術的には全然出来なくはなかったしやりたい、みたいな理由とか。ただ権利問題が面倒だったらしい。
- なるほど。
- そうしたら2010年の11月くらいかな。JASRAC6がYouTubeとUSTREAM7と包括契約結んで、管理楽曲は全て配信して良いですってことになったのね。
- それってつまりどういうこと?
- 演奏会とかで合唱曲を演奏する時とかって、JASRACに著作権料を支払うとかの手続きが必要じゃん。ざっくり言うと、例えばYouTubeを通じて配信する場合はその手続きをYouTubeがもう済ませてるよ、って感じみたいよ。
- 配信というか、動画を公開するハードルがぐっと下がったわけだよね。
- それで、宮城が他団で演奏会配信をやったらしいだけど。当時は「やることに意味がある」感じで、ホールの後方にwebカメラを置いて、PCをつないで、ネットに流して、みたいなかなりざっくりな感じだったらしい。一応なんとか配信出来たみたいよ。
- 第3回演奏会の時は、楽屋のモニター裏の端子を引っこ抜いてPCに繋いで、って感じだったよね。楽屋で流してた。
- 要するに、ホールのホワイエとかで流れている映像と音声を配信してたんだ。
- 今は方法確立した感じだし、撮影業者が録画している映像を配信したりしてるよね。
- 特に第1回演奏会の時なんかは全然やり方分からなくて、ホールの人も慣れてなかったからかなり苦労したみたい。
- 実際、配信の効果はあったのでしょうか。
- うーん、正直目に見えて効果があるかはちょっとわからない。
- 昔よりは演奏会の配信する団体増えたみたいね。いろんな団体がやってるってことは、やっぱりいろんな人が効果を実感してるってことなのかも。
- 僕は高校の後輩が見てくれたよ。どうしても早めに家に帰る必要があったらしくて。「途中で止まっちゃったんですけど」って言われたけど(笑)。
- あ、そういえば俺の親も見てくれてた。
- VVは東京以外出身も沢山いるからね。親に見てもらえるっていうのは割と喜んでもらえるみたい。
- 地方の人とかが結構見てくれてるんだよね。
- 「今やってる」ってのが配信の効果として大きいよね。演奏会のDVDとかCDを鑑賞するのとは違うんだよね。
- 演奏会に参加してる、ライブ感が出るよね。
- 逆に、演奏会来ないでネットで済ましてしまうお客さんとかもいるのでは?
- 多分「配信で良いや」っていうような人は、そもそも当日になっても配信すら見ないと思う。
- 演奏会に来たいけど来れないっていう人は見てくれるだろうから、そういう人達を拾って行く役割が配信にあるんじゃないかな。
- 演奏会の配信を見て「やっぱり演奏会行けば良かった」って人もいた。Twitterで。
- 学生団体が地方に出てジョイントコンサートを開く時とかに配信すると、OBが凄く喜んでくれるみたい。演奏会に行けなかったOBが集まって、パブリックビューイングみたいに飲みながら鑑賞したりしているらしい。
- お客さんのニーズに応える効果はなにかしらあるんじゃないかな。
- ^ 日本音楽著作権協会の略称。日本音楽著作権協会の略称。
- ^ YouTube、Ustreamは、いずれも動画共有サービスの大手として知られている。