座談会「Vのキセキ【第2回演奏会篇】」その1
- Voces Veritas、「水のいのち」に挑む
- 世界のうた、日本のおと
- 団員から見る「松下耕」
- VVにいるワケ
これまでの「Vのキセキ」
座談会の前に…
(11月某日、某団員宅にて)
- 座談会企画「Vのキセキ」は、VV(ぼーべー)のあんなことやこんなことを団員にアツく語ってもらう企画です。今回は第2回演奏会のDVDを見ながら、当時のエピソードや団員から見た松下先生の魅力といった話題を中心にお届けします。
- 座談会に入る前に、前回と同じく第2回演奏会の紹介と自己紹介をよろしくお願いします。
- 第2回演奏会は2012年の3月5日に渋谷のさくらホールで開催されました。
- 指揮は音楽監督、常任指揮者である松下耕先生と当時の常任指揮者であった森田悠介先生、共演はピアニストの前田勝則先生です。
- あとは当時の役職かな……?このころは会計をやったり、あと確かパートリーダーをやってましたね。
- 第1ステージは世界の男声合唱曲を集めたアラカルトのステージでした。特にステージ名もついていなかったですね。松下先生と森田先生に3曲ずつ振ってもらいました。
- おれは演奏会関係では特に大きな仕事は無かったですね。
- 第2ステージはこれまたステージ名がついておらず、日本の音を題材にした邦人作曲家の作品によるステージで、森田先生の指揮による演奏でした。松下先生自身の作品も演奏させて頂きましたね。
- 当時自分はロケハン1やってました。
- 最終ステージは高田三郎先生作曲の「水のいのち」です。指揮はもちろん松下先生です。アンコールも盛りだくさんで3曲ぐらい松下先生の作品をやりました。
- ぼくは演奏会にオンステするのはこの時が初めてでしたね。当時1年生でした。
Voces Veritas、「水のいのち」に挑む
- 最終ステージは日本の合唱史に残る名曲、高田三郎作曲の「水のいのち」でした。まずはそちらの話題から。
- 選曲の経緯を教えて下さい。
- VVは基本的に、やりたい曲を団員から募集して、そのリストを松下先生に見ていただいて選曲会議、っていう流れの選曲が多いですよね。
- この年もそうでした?
- この年もリストは作ったけど、「水のいのち」はむしろ先生の方からやりた言ってくださったみたいだよ。
- 演奏会が2012年の3月で、東日本大震災から1年しか経ってなかったんだよね。やっぱり今以上に環境問題とかも深刻だった訳だけど「だからこそ、この作品を歌おう、歌いたい」って松下先生がおしゃっていたのが一番の理由かな。レッスンでもその話をしてくださったり。
- 男声版は演奏したことないから一回振ってみたいとも言ってたみたいだね。
- 松下先生の振る「水のいのち」の魅力とはなんでしょうか?
- 演奏後に、『こういう「水のいのち」初めてだった』っていう感想を聞きました。
- 最初もっとこってり来るかと思ったら案外あっさりと進んで、かと思ったら3,4曲目でガツンと来た、みたいな感想を頂いて。「水のいのち」を知っている方々にとっても新鮮味のある演奏だったのかな。
- 練習内容に関しては、詩人も作曲家も指揮者も全員がクリスチャンだったってこともあって、松下先生がクリスチャンの立場からも曲の話をしてくれたね。
- 例えば1曲目「雨」。詩の中にある「許し合う」って言葉は聖書の内容とも共通するし、他にもそういったお話をしてくださった。
- 俺は「海の星」の話が印象に残ってるかな。
- あ、それ俺も覚えてます。
- 5曲目「海よ」に「海の星」というフレーズが出てくるけど、それは聖母マリア様のことを指す言葉2で、文脈中に違和感なく見事に溶け込んでいる、という話だった。
- 高田先生がアウフタクト3を多用する理由も、キリスト教の聖歌による影響が大きいってお話もされてましたね。
- あと、松下先生が高田先生自身から指導を受けた時の話をしてくださったのも面白かったかな。高田先生の人間像がちょっと理解できた気がした。
- やっぱり松下先生が持つ感性や経験ならではの解釈って感じでしたよね
- レッスン中にしてくださる曲の解釈の話がいつも新鮮なんだよね。ただ歌うだけじゃなくて深く曲に入り込める。そういう意味でも松下先生が振る「水のいのち」はやっぱり魅力的だったな。
- 演奏を聴いてみると、どのように感じますか?
- 特に、言葉がかなりはっきり聞こえてきますね。 #nowplaying 雨
- 聴いているだけで詩が十分理解できる。これは結構うまい音源だよ。いい音鳴ってるし。
- 5曲目とかになるとだいぶ荒っぽくなってしまうけどね(笑)。
- そこは若さじゃないですか。団員も若いし、合唱団も若かった。
- 前回の座談会記事に引き続き、今回も動画がアップされる予定です!是非お聴きください! #音源
- voces-veritas.com/v/article/082r…
- あと、組曲の演奏が終わった時にお客さんから「ブラボー!」もらえたんですよね(照)。
- え、そうなの!?
- 録音にもバッチリ入ってるよ!
- うれしい!(笑)
- 多分VVがブラボーもらえたの、今んとここの演奏会だけなんだよ。
- やっぱり、昔から歌い継がれてきた名曲を若い大学生が歌うことに意義があったんじゃないかな。
- 日本で一番売れてる合唱曲らしいからね。混声版は100刷り超えてる。
- でも「水のいのち」って男声版すごくいいよね。むしろ一番好きかも。
- すごく曲の説得力を感じます。他の編成にはまた違った魅力がありそうですけど。
- それにしても骨太な組曲だったなあ。「昭和の時代の作品」って感じがすごくよかった。
- そうですね。ゴツかったっす。
- この組曲に取り組んだ感想はいかがですか?
- シンプルな曲だからこそ難しかったなと思う。
- 楽譜通りに歌うだけじゃ駄目だって痛感した。常に楽譜の一歩先を行く歌い方を求められた。
- もちろん先生が引っ張ってくれる部分はあったけど。下手な技法が無い分、自分達で思考して歌わなければならなかったという意味で凄く難しかった。だからこそ、VVの黎明期の時期にこの組曲に取り組めたことは意義のあることだったと思う。
- 今また「水のいのち」やったらまた違う、もっと上手い演奏になるかもしれないけど、僕はこの時の演奏の方が良いんだろうなって思いますね。