VV5th

座談会「Vのキセキ【第4回演奏会篇】」その3

座談会

学指揮ステージでしかできないこと

第3ステージはVV初の試みとして、3人の学生指揮者が持ち回りで指揮を振る学指揮ステージでした4
どの様な経緯で学指揮ステージをすることになったのでしょうか?
そもそも、この演奏会の時は常任指揮者が松下先生しかいなかったっていうのが1つの理由だよね。
VVは創団からしばらくの間、松下先生の他にもう1人常任指揮者についてもらって、普段の練習とかを見てもらってたんですよ。もちろんその先生にも演奏会で指揮を振ってもらったりしていたんですが、この演奏会の時はそういう先生がいなかったと。
で、第4回演奏会はひとステージ学生で全部やろうってことになって、学生指揮者っていう役職ができたんだよね。
一番最初に話題に上がったのは、この年度にあったTYC5の本番後で、7月くらいだったかな。その打ち上げで松下先生が「1ステージは学指揮で振りな」的なこと言ってて。適当に流していたらそれがいつのまにか8月の夏合宿では決定事項になってた(笑)。
指揮者と演奏曲はどの様に決定したのでしょうか?
10月頃の演奏会全体の選曲の段階で、今まで何となくやるだろうって雰囲気だけだった学指揮ステージを本当に実行することがまず確定したんだよね。
それで指揮者をどうするかって話になって。最初やりたい人に手を上げてもらったら5人くらいいたよね?
でも、単純に5人は多すぎるっていうのと、初めての企画でその学指揮がそれから指揮の勉強したりっていう暇も無さそうだったから、兼団先で学指揮を経験していた3人で振ることにしてもらったんだよね。
それで振ることになったのが柳澤、村山、おれ(宮城)の3人ですね。
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「やるからには松下耕が出来ない、学生にしか出来ないステージをやろう」って、結構意気込んでたんだよね。
ここでちゃんと出来なければ、松下先生が振ってるだけの合唱団になっちゃうんだよ。インカレでわざわざ集まっている意味も無くなるし、モチベーション的な面でも自信にならない。「結局松下耕が振らないと駄目な合唱団」みたいになるのは嫌だった。
でも、自分達でそこまでハードル上げちゃったから、何回か選曲会議しても決まらなくて結構苦労してたよね。
お客さんの立場としてはVVの学指揮に何か期待するっていうのはないだろうから、やっぱ選曲の段階でしっかり練らなきゃいけなかったしね。当たり前と言えば当たり前だ。
自分がコンマスなんで、3人で話してたことは逐一報告してもらってたんですよ。テーマを決める段階で「Nコン課題曲集」とか「外国の民謡」とか「各々出身地のご当地ソングにしよう」とか「なんかの組曲を3人で振り分けたらどうだ」とか、かなり迷走してた印象があります(笑)。
最初に選曲まで決めてもらった時は、間宮先生の民謡を3つでしたよね。前回までの演奏会ではいつも民謡ステージを設けていたけど、選曲の段階では民謡を演奏するステージがなかったというのもあり。
それはまた随分と渋い(笑)。
VVは毎年演奏会で民謡を歌ってますもんね。今までの流れとしては悪くなかったと思いますけど、第1ステージと被りそうってのもあったような。
そう、やっぱ民謡だと「カンティクム・サクルム」と被りそうだったんだよね。それにやっぱり「学指揮にしかできない」ってわけではないし。
それで別の案も用意しようってなった時に、おれが信長先生の編曲した「島唄」をやりたいって案を出したわけですよ。民謡でもなんでもないんだけどやりたいって。
そうしたら柳澤が「宮城が「島唄」振るなら「冬・風蓮湖」やりたい」って言ったんですよね。
宮城は沖縄出身で、柳澤は北海道出身。2人はそれぞれの出身地域の曲をやろう、となったんですね。
もう1人の学生指揮者の村山は埼玉出身だったから、じゃあ埼玉県の童歌の「とう坂みま坂」にしようって(笑)。
何か違うよねってなったんですね(笑)。「島唄」と「冬・風蓮湖」は決まりでいきたかったから、整合性のあるステージにする必要があったわけだ。
色々考えてたら「これ夏と冬の曲だから、残りの春と秋の曲を集めれば良いのでは」ってなって、さっきの間宮ステージに挙がっていた「田植唄」を春の曲として採用したんですよね。
秋の曲は、「秋の夕」の曲名だけ知っていて、ニコニコ動画に上がってたMIDIを聞いて採用。
「田植唄」は秋田の民謡で、「秋の夕」は都会のイメージを持った歌だし、場所のバランスも取れたという感じで(笑)。
いつの間にか代案が本命になっていたと。
座談会
曲順は冬の曲から始まって、春、夏、秋で締めくくりましたよね。この順番が良かったんですか?
別の順番でも良かったのでは? #nowplaying 冬・風蓮湖
いや、これがベスト。秋を基点に構成したかった。
三善先生も「1年は秋から始まって秋で終わる」って言ってるらしいしね。
他にもそういう構成の作品があったりしますもんね。
本番の出来はいかがでしたか?
結構うまく行ったんじゃないかな?選曲も演奏も、それなりにお客さんの反応がよかった気がします。
アンケートでも結構好評をもらえてましたよね。「〇〇の曲の指揮者がよかった」みたいな感想も多かった(笑)。
三人とも結構指揮の傾向が違ったから、歌ってる方も結構面白かったですよね。
そういってもらえると嬉しいですね。柳澤はそれなりに緊張したって言ってましたが(笑)。
でも、学生ステージで一定のクオリティを出せていたのは良かったと思うよ。
当初の目標だった「松下耕に出来ない、学生にしか出来ないこと」も達成されたんじゃないでしょうか。
団員も学指揮の意図を汲んでくれたから、松下先生が振る時とはまた違った一体感が生まれたよね。そもそもこんなとっ散らかった選曲のステージ松下先生に振らせるわけにはいかないでしょ(笑)。
一番評判よかったのはどれかな?
これって言うほど差があったわけではないと思いますが、やっぱ「島唄」が人気あったと思いますね。演奏会では唯一のポップス曲だったということもあり。
演奏もうまくいったけど、やっぱ編曲がいいよね。 #nowplaying 島唄
この座談会の掲載と同じタイミングで「島唄」の音源掲載する筈だから、是非聴いて欲しいですね。 #音源
voces-veritas.com/v/article/052s…
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ちなみにステージの題名は『男声合唱アンソロジイ「四つの音聲(おんじょう)」』でしたが、アンソロジイとか音聲とかってなんですか?
アンソロジイは、言ってしまえばオムニバスのちょっと上品な言い方。
音聲は、最初『音声』を『おんじょう』と読ませようとしたのだけど、普通に音声と書くといくらルビ振っても『おんせい』としか読めないから、あえて読みづらい『音聲』という書き方にしたという感じかな。
うちはちょっと上品なのとか変わったのが好きだから(笑)。
こんな調子だからすぐ「気取ってる」とか言われるんだよ!(笑)
  1. ^ 第3ステージの演奏曲は、「冬・風蓮湖(曲:高田三郎)」、「田植唄(曲:間宮芳生)」、「島唄(曲:宮沢和史、編:信長貴富)」、「秋の夕(曲:木下牧子)」
  2. ^ Tokyo Youth Choirのこと。男声合唱団であるVoces Veritasと、同じくインカレである女声合唱団Voces Fidelis(@vocesfidelis)の団員によって構成される混声合唱団。@tychoir