パンフレットというより……？

次は、VVの演奏会のパンフレットについてお聞きしたいと思います。

VVの過去2回(第3回、第4回)の演奏会パンフレットは特にイラストが印象的ですが、これはどなたに書いていただいたのでしょうか?

第3回、第4回ともにパンフレットの挿絵は俺の高校の同級生で今は少年ジャンプに連載を持っている漫画家の仲間りょう¹に委嘱しました。

第3回のやつが超好きなんだよね。

第3回は絵師の仲間が気合い入ってるからね。第4回は第3回のコンセプトの延長線上で頼んだのだけど。

仲間さんにパンフレットの挿絵をお願いした経緯などを教えて下さい。

演奏会のパンフレットは第1回から俺が作ってるのね。文字だけだとレイアウトが詰まるのだけど、俺は絵が描けないから第2回までのものにはフリー素材の写真とかを引っ張ってきて入れていた。

でもフリー素材は探すのが面倒くさいし他所と素材が被ったりするのが嫌だから、第3回のパンフの時は誰かに頼んでオリジナルのものにしようと。

俺が帰省した時、最初は仲間に演奏会のチラシの絵を書いてくれないかって話をしていた。第3回のパンフレットは絵本のイメージにしたかったんだよね。それを仲間に伝えたら、「絵本にするんだったら俺より上手い人がいるよ」っていう仲間の紹介で、桑江さんという方にチラシの絵を頼んだの。

凄くメルヘンチックなチラシだったよね。

その後何度か電話で打ち合わせをして、上がったチラシのイラストを見てパンフもこれに合わせていこう、と。仲間が上京したのもその頃。そのあと、桑江さんが卒業制作で多忙になって「ちょっとパンフの絵できそうにない」っことになったから、代打として仲間りょうが出てきた。

最初から仲間さんに頼むつもりじゃなかったんだ。

仲間はその時俺の家に居候してたから、打ち合わせとかも、俺が家に帰った時に一緒に出来たし、俺としても桑江さんとしてもそっちの方が良い、と丸く収まってさ。

そのころ仲間は別に連載が決まっているわけでもなかったから、1枚の絵に1時間ぐらいかけてもらってたかな。コピー用紙に鉛筆で描いてもらってたんだけど、それがわりかし好評で。

そんな経緯があったんですね。

第3回は演奏会の挿絵全体のイメージが桑江さんで、パンフの絵が仲間さん担当、と。

この頃仲間はちょうど磯辺衛²の読切ネーム書いてた頃じゃねえかな。

あの磯辺衛のか。ぱねえ。

この時のパンフレット作成での裏話などが他にあれば教えてください。

あとは……第3回のパンフは左綴じになってるんだけど、本当は右綴じにする予定だったんだよね。でも、直前でレイアウトが行き詰まって俺が勝手に左綴じに変えたの。

そしたら、パンフの中に舟をこいでる絵があるんだけど、本当はそれはめくっていく方向に舟が進んでいく仕様になってるのが逆になっちゃってて、あとで仲間に怒られた（笑）。

あ、この絵って本来そういう構成になっていたんですね。

終わった後も仲間と反省会したよ。第4回は左綴じだしね。

第4回の演奏会パンフレットのイラストを描いていただいた際には、仲間先生は既にジャンプで連載を始めていらしたんですよね。お仕事の合間に書いていただいたということでしょうか？

あんまりパンフの絵に時間を割けなかったんですかね?

実際、アシスタントさんに手伝ってもらって書いてくれた。第1ステージが和洋折衷の曲（カンティクム・サクルム）³だったから、「磯辺衛出せば」って話にもなったかな。

アシスタントさん使ってたんだ（笑）。

この辺のちょうちんの絵とか。

へえええええ！

でもやっぱこの時のイラストも演奏会に合ってる絵ばっかりだよね。第1ステージとかは特にそう思う。 #nowplayng アレルヤ！（「マリア、アレルヤ」3曲目）

僕はこの第3ステージの田植えの絵が好き。

それはファミレスで5分ぐらいで描いてたやつだね。

第3ステージだとさとうきびの絵も凄くいいよね。

描いてる点数は前回より圧倒的に多いんですよね。

最初の打ち合わせではもっと多くて、見開き1ページのうちどっかには絵が載っている予定だったんだけど。やっていくうちにこれはやばいってなって（笑）。

こうして見ると第3回、第4回のパンフレットはちゃんとした出版物みたいですよね。やはりそこは意図的でしたか？

本にしたいっていうのが分かる。

やっぱそうしたかったから、奥付をつけているし中表紙もあるし。

実際に手元に残してくれてる人も多いらしいですね。

作っている側としてはそれが一番嬉しいですね。

文章も団員が拘って書いてるから、イラスト付の詩集みたいだよね。

載ってるのが大学生のポエムだから俺たちが恥ずかしくなる（笑）。